ヨガの流派

ヨガというのは「統一・調和。結合・完全」を意味し、その長きにわたる歴史の中で、宗教的背景・哲学的な思想・肉体の鍛錬の積み重ねによって受け継がれてきました。その為、受け継がれる中で流派は徐々に枝分かれしていき、一口にヨガと言ってもその流派の数は実に72部門も存在しているのです。一般的に普及しているのは、「ハタ・ヨガ」であり、美と健康を追究する行です。あらゆるヨガの入門法でもあります。

サンスクリット語で「は(HA)」は「太陽」を意味し、「た(TA)」は「月」を意味しています。太陽は陽(+)の流れを、月は陰(-)の流れとし、この陽と陰のバランスを大切にしているのです。私たちの身体も陽と陰の流れによって営まれ、そのバランスが崩れると心身の不調となって現れるのです。その為、陽と陰の2つの流れが正しくバランスを保っている事が完全な健康体であるという認識でハタ・ヨガは成り立っています。

ハタ・ヨガは13世紀の初め、ゴーラクナート・マッツェンドラという聖者によってあみ出されました。その後、16~17世紀になると、スヴァートマーラーマという人物によって「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」が書かれ、分かりやすく整理されたのでした。そして現在、心と身体から苦痛を取り除く方法として、最も効果的かつ合理的で、老若男女問わずに手軽に行えるヨガとして世界中に広まっているのです。

顔・あごを引き締める

顔の周りにもたくさんの筋肉があります。喉からあご、頬の筋肉をしっかり伸ばして、筋肉そのものが持つ弾力性を取り戻しましょう。あごの緩みを取り、更に頬も内側から引き締まっていくでしょう。骨格も締まり、小顔効果は抜群と言えます。また、血行・代謝も促進する為、くすみ・むくみの解消にもなります。特にあごから首のラインにかけては、年齢が出るところとも言われますので、歳を重ねてもきれいなあご、頬の張りをキープしましょう。

今回は「ワシの変型ポーズ」。まずは長座の姿勢から、両手を身体より後ろの床に置きます。両足はまっすぐ前に伸ばして揃えましょう。そこから軽く両ひざを曲げて、左足をまず右足の太ももに、そして右足のふくらはぎにも絡ませます。足はできるだけ深く絡ませます。息を吸いながら、腰・背中を伸ばし、息を吐きながら左ひざを右側(内側)に倒して頭は後ろへ倒します。喉を思い切り伸ばしたまま、10呼吸キープしましょう。息を吸いながらゆっくりと身体を戻します。組み方を変えて逆方向も同様に倒します。両手の位置がずれてしまわないようにしながら、膝をできるだけ倒しましょう。組みにくい方をもう一度行いましょう。足を2回絡めるのが難しいという場合は、絡められる範囲でかまいませんよ。大切なのは刺激を与える事です。決して無理はせず、できる範囲から徐々に完成ポーズへ近づけていきましょう。

二の腕を細くする

刺激が入らないと、二の腕も他の部位と同様にどんどん弛んできます。どうせならばスッキリとキレイな二の腕を目指したいものです。上腕二頭筋、さらには後ろの三角筋にもしっかりと刺激を入れていきましょう。今回は「腕搾りのポーズ」です。基本的には手を動かすだけですので、立っている状態でも、座っている状態でも行う事が可能です。気軽にテレビを見ている間にやってみるという事でも良いと思います。二の腕周りが気になるという人はぜひ実践してみてください。

まずは盤座の姿勢、或いは半跏趺座の姿勢になります。椅子に腰かけていても立った状態でもかまいません。息を吸いながら、両腕を肩の高さ真横一直線になりましょう。どの座っている姿勢(立っている姿勢)でも、腰・背中はまっすぐ伸ばし、背骨をまっすぐ立てる事を意識しましょう。指先もしっかり伸ばして行って下さいね。息を吐きながら、親指を中へ入れるように、両腕全体を絞るイメージでねじります。再び息を吸いながら、両手を戻します。息を吐きながら、親指を外に向けるように両腕全体をねじりましょう。ここまでが1回です。内側へ外側へ、呼吸に合わせて交互に繰り返します。可能であれば10回1セットとして、2~3セット行いましょう。難しい場合は出来る範囲でOKですので、無理のない範囲で行っていきましょう。腕をねじる時は「雑巾を絞る」ようなイメージで行うと良いでしょう。腕の付け根の所からしっかりとねじり込みましょう。

ウエストを引き締める

過食や運動不足の生活が続くなど、体質の個人差はあれども、気を緩めてしまうとあっという間に締まりのないウエストになってしまいます。今回ご紹介するのは「穂のポーズ」です。思いっきり横に身体を曲げるポーズである為、後背筋・腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋など、ウエスト周りの緩んだ筋肉を引き締めるのに十分な効果があります。深い丹田(腹式)呼吸をして、深層部にある脂肪をどんどん燃焼させていきましょう。下腹や腰だけが太っていたり、出産後急に太り出したという方にもオススメですよ。

さてまずは長座の姿勢になりましょう。右足は内側に曲げて足先が自分に向くように、左足は伸ばしたまま外に大きく開きます。内側に向けた足は、できるだけ身体に引き寄せましょう。左足の親指を左手3本指(親指・人差し指・中指)で包むようにして持ちます。息を吸いながら、右手を上に上げていき、身体全体でグーッと伸びます。この時、内臓も引き上げる意識で手を上げられると良いでしょう。上体をまっすぐ伸ばして息を吐きながら、左足の方へと上体を倒していきます。右手も身体に合わせて倒しましょう。身体は前方へ倒れてしまわないように注意してくださいね。視線は前方の天井を向き、そのまま10呼吸キープしましょう。再び息を吸いながら、ゆっくりと身体を戻します。足を入れ替えて反対側も同様に行いましょう。左右両方行った後に、やりにくいと感じた方をもう一度行うとより良いでしょう。背骨や骨盤の歪みの調節になります。肩もほぐれて、左右の方のバランスがとれていく為、毎日継続的に続けていけば猫背も矯正されるでしょう。身体の歪みが解消されていけば、肩や首のコリ、手の疲れの解消も期待できるでしょう。